2021年11月15日月曜日

Webエンジニア志望の後輩から受けた就活Q&A



先日、研究室の後輩から就活について相談を受けました。Web系企業を中心に会社探しをしているとのことで、Web系企業での仕事や就活時のことについていくつか質問をもらいました。質問を聞いていて自分も同じように就活時に気になっていた内容だったので、今回後輩から受けた質問とそれに対する自分の回答を書いてみたいと思います。

※Web系企業を中心に就活をしていた一個人としての、入社して半年しか経っていない社会人目線での回答及び就活中に得た情報と体験談である、ということを念頭に置いて見ていただければと思います。


■主に誰に向けての内容か
Web系企業のエンジニア職を考えている就活生の皆さん


■就活の時に知りたいと思っていたこと

・ポートフォリオはどんなものを作れば良い?新卒入社の場合どのくらい技術力が必要?
就活を通して感じた範囲での回答にはなりますが、ポートフォリオは凄いものを作らないと評価されないということはなく、「なぜその言語や技術スタックを用いて作ったのか」「どのような場所を工夫して作ったか」といった過程の部分を説明できることのほうが大切であると思います。

就活中に面接でポートフォリオの話になった時、上記の内容はよく質問されました。プログラミングが好き・自分で考えて実装できる(ポートフォリオを作った)人でないと答えるのが難しい質問で、ここである程度見極めがされているように思います。

(自分の場合、PythonとKivyというライブラリを用いて音楽プレーヤーやカレンダーアプリを作りました。面接ではなぜそれを作ったのか(= Pythonが好き&Kivyというライブラリを使って何か作りたかった)、工夫したところはどこか(= 利便性を高めるために音楽プレーヤーに歌詞表示機能をつけたり、カレンダーアプリに予定表示機能をつけたりした)といったことを説明していました。)

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応募倍率が高いインターンシップであったり、即戦力を求めるような会社の場合はポートフォリオの完成度や技術力の高さで評価するところもあると思います。しかし、多くの場合は新卒採用ではポテンシャル・伸びしろ可能性で評価するため、現時点で技術力は高くなくても、基礎的なプログラミングスキルと知識や経験があれば大丈夫だと思います。

ポートフォリオの作成や技術力の向上に時間をかけすぎて自己分析や企業分析が疎かになってしまうことはなるべく避けましょう。


・インターンシップは行ったほうがいい?
開発経験の有無を問われることは多いので、ES選考や面接を有利に進められる可能性があるという意味では、インターンシップ(できれば複数日かけて開発を行なったり、就業形式で長期間実施するもの)には可能であれば参加したほうが良いと思います。

ただ、インターンシップやアルバイト経験がなくても「プログラミングが好き」「自分でアプリを作ったりしている」「Webエンジニアに関する技術を収集したり、新しい技術を試したりしている」といったことを伝えることができれば十分だと思うので、必ずしもインターンやアルバイト経験がないとダメということはないと思います。

なお、余談ですが面接で
  • 個人での開発経験
  • チームでの開発経験
  • プログラミングが好きかどうか
といった部分は質問されることが多かったので、上記について話せるようにしておくと良いかもしれません。

また、選考過程でプログラミングに関する基礎的なテスト(if文の使い方等)をしたり技術面接にてソートに関するテスト(実際にホワイトボードで解答させられた)をする会社も中にはあったので、Webエンジニア職に応募する場合はプログラミングテストや技術面接の有無を確認して、ある場合はプログラミングの基礎的な内容を復習しておくのも良いと思います。


・どうやって会社を探していた?会社選びはどのようにすれば良い?
自分はpaizaやLabBase、Offerboxといった逆求人サービスを利用して会社を探すことが多かったです。逆求人サービスには様々なWeb系企業やベンチャー企業が求人を掲載しているだけでなく、登録したプロフィールを見て企業側からカジュアル面談等のスカウトをしてくれることもあります。効率よく情報を集めることができるのでよく活用していました。

また、会社を選ぶ時は以下のことを主に確認していました:
  • 採用ページ(会社の雰囲気や事業内容等)
  • 求人情報・募集要項(どのような人材を求めているか)
  • 会社で働いている・退職した人の口コミ
  • 情報酬集をしている過程や面接等で感じた第一印象・雰囲気
特に会社の口コミはその会社で働く人の本音や実情を知ることができるので、気になる会社の口コミはいつも確認していました(ただし、書かれている情報が全て正しいとは限らないので鵜呑みにはし過ぎないようにしたほうが良いです)。自分が就活をしていた時は会社の評判や就活会議、OpenWorkなどの口コミサイトを利用していました。

あと、会社の第一印象・雰囲気についても判断材料の1つにしていました。会社のWebサイトを見たり面談・面接を受けて感じた印象など、直感で感じたことは意外と当たったりするので自分に合う会社を探す上では第一印象も大切な要素になると自分は思います。

また転勤がない・残業が少ない等のような、「ここだけは譲れない」という要素を予め持っておくと会社選びがしやすくなると思います。自分は「私服で良い」「フレックスタイム制である」といった項目は外したくなかったので、そこである程度篩に掛けていました(外せない項目を決めすぎると選べなくなってしまうので、程々にしたり場合によっては妥協したほうが良いです)。


・Web系企業は仕事が忙しい・色々学べるなどのイメージがあるが実際はどう?
入社してまだ半年しか経っていないためアサインされるタスクも少なく、仕事が忙しくて辛いと感じることはまだあまり無いです。しかし同じプロジェクトの先輩社員は仕事量が自分よりも多く、プロジェクト全体をまとめたりもしているので自分よりもはるかに忙しいと思います。

人数が少ない会社やプロジェクトの場合、一人一人の仕事量や担当範囲がどうしても広くなってしまいます。PL(プロジェクトリーダー)やDL(開発リーダー)になると特に負担がかかるので、仕事の忙しさは会社・プロジェクトの人数や役職によって変わってくると思います。
Web系企業だから忙しい、ということはあまりなく上記のことはどの会社・職種でも言えると思います。

扱う技術スタックが多く、また作業後にいつもコードレビューをしていただけたりと、仕事をしていて学ぶことはかなり多いです。入社して半年間でWebエンジニアとしての知識・スキルは大きく養われたと感じています。
会社にもよると思いますが、Web系企業は裁量が多い・丁寧なレビューをもらえるといった点で仕事をしながら多くのことを学べる環境である、と自分は思います。


・研修はどんな感じだった?
新人研修はオンラインで約2週間行われ、最初の1週間は親会社と合同で実施されました。合同研修の内容はビジネスマナー研修(ビジネスの様々な場面で気をつけるべきマナーについて)やキャリアデザイン研修(社会人としてのキャリアの考え方やビジネスの場における心構えについて)といった内容でした。

いずれもグループワーク形式で行われ、課題に対してグループのメンバーと話し合って答えをまとめる→代表者がグループで出した答えを発表する、という流れが多かったです。エンジニアよりも営業職の人の方が多く、自分よりも積極的に発言できる人が多かったため、話し合いについていくのが正直やっとという感じでした。話し合いをするのは大変でしたが、その分とても良い刺激を受けました。

合同研修の後の1週間は自社研修で、会社の組織体制や扱う情報の扱い方の注意事項、各職種の業務内容などについて教えていただきました。自社研修は座学が多かったですが、こちらも何度かグループワークがありました(合同研修と同じような流れでした)。

自分の会社は2〜3年前から新卒採用を始めたばかりで、新卒向けの新人研修が始まったのは自分たちの時が初めてだったみたいです。そのため他の会社とは形式が大きく異なるかもしれません。
新人研修は実施内容が会社によって異なるので、気になる場合は面接時に聞いてみるのも手だと思います。


・Webエンジニアの大変なところは?
Webエンジニアの場合、基本的には毎日ずっとパソコンに向かって作業をすることになります。さらにリモートで業務を行なっている会社の場合、自宅に篭りっぱなしになることが多いです(自分の場合、現在リモートで業務を行なっているので平日はずっと自宅にいます。12月からは週1日出社になる予定)。

出社して業務を行なっている会社の場合はまた変わってくると思いますが、リモートでの業務を推奨している会社の場合、外に出れない・対面で直接人と話せない・ずっとパソコンで仕事をすることになるため、合わない人にとっては大変さを感じると思います。

また職種にもよりますが、開発職の場合ソースコードを毎日見ることになるのでプログラミングをすることが苦ではない、という人じゃないと苦労する可能性もあります。


・自己分析や企業分析はどのようなことを行なっていた?
別記事にて書いた内容ですが、採用されるかは「会社との相性次第」であり、「自分は何ができるのか・何がしたいのか」と「相手の会社はどんな人を求めているのか・どんな仕事をしているのか」ということを擦り合わせることが必要になります。

そのため就活本も参考にしつつ、「自分はどんなことができるか、今までにどんなことをやったり学んできたか、どんなことをどんな会社でやりたいか」といったことを中心に自己分析を進めていました。

また、企業分析については会社の採用ページや口コミ情報、企業説明会に参加するなどして「どんな人材を求めているか、どのような人が働いている・活躍しているか、業務内容やキャリアプラン(働いている人がどのようなキャリアを歩んでいるか)」といった部分を調べるようにしていました。

上記のことを意識しておくと、ESや履歴書が書きやすくなったり面接にて自分をアピールしやすくなると思います。


・就活の時にやっておけばよかった・やっておいて良かったと思うことはある?
就活の時にやっておけば良かったこととしては、自分の場合以下のことが挙げられます。

もう少し早めに大学の就活支援室などで面接練習や履歴書の添削を受けておけば良かった
初めの頃は本やWebページを参考にして、自分なりに面接対策をしたり履歴書を書いていました。しばらくして一度添削をしてもらったほうが良いと思い、大学構内にある同窓会の就活支援室に行って面接練習や履歴書の添削をしていただきました。面接時によく聞かれることや履歴書の文字の大きさなど、自分では気付けなかった部分を指摘していただけたのでもっと早めに相談しておけば良かったなと思いました。

技術面接やプログラミングテストの対策をもっとしておくべきだった
エンジニア職で応募していたのでプログラミングテストが課されるところがいくつかありました。FizzBuzzや文字列・配列の操作など、制限時間の中で与えられた課題を解決するコードを書くというものが多かったです。中には対面形式での面接時に、ホワイトボードを使って配列をソートするプログラムを書いて説明してと言われたこともありました。
全体的には基礎的な内容(ソートや文字列操作など)のものを問う会社が多かったので、バブルソートなどのソートのアルゴリズム・計算量やFizzBuzz問題など、基礎的なプログラミングスキルとアルゴリズムを復習しておくと良いと思います(paizaやAtCoderなどの競技プログラミングコンテストサイト・プログラミング学習サイトで基礎的な問題を解いてみるのも良い練習になると思います)。


また、やっておいて良かったと思うことは次のことが挙げられます。

就活中にインターンで開発業務を経験した
就職活動を始めるまでアルバイトやインターンで開発業務を経験したことがなかったため、Web系企業とSIer企業の仕事内容の違いがあまりわかっていない状態でした。就活中に1ヶ月ほどSIer企業のインターンに参加し、開発業務に携わりました。インターンで仕事をしたことで具体的な仕事内容を理解でき、就活の軸をより明確にしたり、面接で話す内容を増やすことができました。
インターンに参加しない場合でも、会社への理解を深める上で仕事内容やWeb系企業とSIer企業の違い等は調べておくと良いと思います。

面接や口コミサイトを活用して、仕事内容や会社での苦労話などの情報収集をした
会社説明会や採用ページでは大まかな説明しか情報を得ることができないので、自分の応募している職種の具体的な仕事内容や入社後の仕事の様子などについて、面接時に質問したり口コミサイトを見て情報を集めていました。
また会社に入ってからの苦労話や入社後のキャリア等を面接官に聞いたりもしていました。実体験は入社後のことをイメージする上で大きな情報となるので、時間があれば面接時に相手のことについて聞いてみるのも良いと思います。

複数社でカジュアル面談を受けていた
M1の10月〜12月あたりはpaiza経由で複数社のカジュアル面談を受けていました。カジュアル面談の場合、1対1で会社説明を聞いたり質問したりできるので通常の会社説明会よりも面接官と話がしやすかったです。
また中には面談と一緒に一次面接をそのまま実施するところもありました(paizaのカジュアル面談の場合、会社説明+一次面接というスタイルをとっている会社が結構多いように感じました)。通常応募の場合ESで落ちて面接まで行けないことも多々あるので、カジュアル面談で面接を受けることができたのは面接の雰囲気に慣れる上でも良い経験になりました。

面接前に質問内容を考えていた
面接の場では、必ずと言っても良いくらいに「何か聞きたいことはありますか?」と質問されます。志望度を判断する材料になっている可能性が高いということもありますが、相手の会社について詳しく聞くことができるチャンスという意味でも何かしらは質問できると良いと思います。
面接中に質問内容を考えるのは難しいので、予め質問リストを考えておくことをお勧めします。この時、一次面接、二次面接、...と段階に応じて質問内容は変えたほうが良いです(二次や三次面接まで進んでいるのに事業内容などの会社の基本的なことを聞いたりすると、会社に興味がないと思われる可能性がある&選考が進むとより役職が高い人が面接官になることが多い)。


長くなってしまいましたが、後輩から受けた質問と自分の回答を一通りまとめてみました。入社後のことについて先月記事を書いたので、そちらも是非参考にしていただけたらと思います。

少しでも就職活動のお役に立つことができたら幸いです。

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